「キャラメルクリーム」「プラリネクリーム」
今回はこれからの季節にぴったり、深い味わいのクリーム2種類「キャラメルクリーム」と「プラリネクリーム」をご紹介します。 ほろ苦いキャラメルクリーム、濃厚なプラリネクリームを使えば、上品なお菓子に早変わり。 2種類のクリームを引き立てる、コーヒーと相性抜群のケーキもご紹介します。
●キャラメルクリームについて
キャラメルクリームを作るのに一番大切なことは、濃いめのキャラメルを作ることです。キャラメルクリームに向くクリームは、乳脂肪分が38~40%前後のクリームです。35%よりも低脂肪だと薄すぎて分離してしまう可能性があります。逆に45%以上の高脂肪だと、濃厚すぎて冷やしたときにもったりした味になってしまいます。
キャラメルクリームはフルーツと組み合わせるよりも、クリームのみをロールに巻いたり、スポンジにサンドするなど、キャラメルクリームそのものを味わうお菓子に向いています。
●キャラメルクリームの作り方
今回ご紹介する作り方は、キャラメルとクリームを混ぜたものを1日置く、というウィーンで学んだ方法です。この作業をすることでバサつきにくく安定したクリームに仕上がります。

(材料)
(作り方)
☆ポイント クリームが温かい方が、キャラメルに加えたときに固まりにくく均一に混ざりやすいので沸騰直前まで温めましょう。
☆ポイント グラニュー糖が溶けてくるまで出来るだけ触らない。 全体が一気に混ざってしまうのを防ぐため、さいばしを使って混ぜましょう。
●プラリネクリームについて
プラリネとは、ローストしたナッツに加熱した砂糖をからめて飴がけしたもので、それをローラーでひいたものがプラリネペーストです。ナッツの種類によって、①アーモンドを使ったもの、②ヘーゼルナッツを使ったもの、③アーモンドとヘーゼルナッツを合わせたもの、等の種類があります。
プラリネクリームに向くクリームは、プラリネペースト自体に油分が含まれているので、乳脂肪分38%位の低脂肪のものがベストです。乳脂肪分45%以上では重たい食感のクリームになってしまいます。
プラリネクリームもキャラメルクリームと同様、フルーツと組み合わせるよりも、クリームそのものを味わうお菓子に向いています。その他、味をしっかり主張できるので、チョコレートとの相性も良いです。
●プラリネクリームの作り方

材料
(作り方)
●キャラメルクリームとプラリネクリームを使った簡単お菓子
『カーディナルシュニッテン』
このお菓子は、メレンゲ生地とスポンジ生地を交互に絞って焼き、コーヒー風味のクリームをサンドしたウィーンの伝統菓子です。白色と黄色はカーディナル(枢機卿)の衣装をイメージしています。今回はコーヒー味のクリームの代わりに、キャラメルクリームやプラリネクリームをサンドしてみました。口当たりのふんわり軽い生地と濃厚なクリームの融合をお楽しみ下さい。

材料
〈シュネーマッセ〉
〈ビスクイトマッセ〉
(作り方)
細かく泡立ってきたらグラニュー糖を2~3回に分けて加え、泡立てる。
ハンドミキサーの羽でメレンゲをすくったときにツノが曲がるくらいのやわらかさにする。
☆ポイント 混ぜが弱すぎると焼き上がりがしずんでしまうので、しっかり混ぜ合わせましょう。
その際、シュネーマッセと同じ高さになるようにする。