粉・砂糖

●粉の種類・特徴・用途

お菓子で使う粉としてまず初めに思い浮かぶのは「小麦粉」ですね。
お菓子で使用する小麦粉は主に「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の3種です。

「薄力粉」は広く家庭で使われ、具体的にはスポンジやクッキーなどに使用します。グルテンが少なく、よく膨れてしっとり焼き上がる粉と言えます。世界のお菓子の中にはこのグルテンをより少なくするために薄力粉をオーブンで焼いたものを使ってつくるものもあります。ホロホロした食感がおいしいスペインの「ボルボローネ」がそうです。

<注意点>

粉類は梅雨を越したら湿気を吸うので200℃のオーブンで10分ほど焼きましょう。薄茶色に色づいた粉はダックワーズをつくるのに向いており、サクサクとした仕上がりになります。また、粘り気が少なくなるのでホワイトソースにも向いています。

「強力粉」はパン・パイに使用したり、お菓子等をつくる際に型にふるったり、手粉としてつかいます。また、パイ生地をつくるときに使用することでパリパリとした食感を出すことができます。
「中力粉」は薄力粉と強力粉を混ぜたもので、その割合は職人の好みによって違いますが1:1の割合が一般的です。中力粉でパイ生地をつくるとパリパリとした食感もありながらソフト感も出るため、カスタードを詰めたりパイまんじゅうをつくるのに向いています。また、中力粉でつくったパンは固くなりにくいという特徴があります。

●その他の粉類・特徴・用途 

お菓子に登場する小麦粉以外の粉というと、「米粉」「そば粉」など、またでんぷんの粉として「コーンスターチ」「フラワースターチ」などがあります。
「米粉」は現在市販されている洋菓子用はうるち米の粒子を細かくしたものです。和菓子の上新粉よりキメが細かく、薄力粉のように使えるものも開発されています。小麦粉アレルギーの方の代替製品や新食感のお菓子としてよく使われますが、粒子が細かいため米の風味は上新粉より弱くなっています。そこで最近は米の味が出るように工夫されたものが研究されています。
でんぷん粉はとうもろこしからつくるのが「コーンスターチ」、小麦粉からつくるのが「フラワースターチ(浮き粉)」です。「コーンスターチ」は水で練ると固くなり、切り分けやすいためレモンパイなどに使います。「フラワースターチ」は「コーンスターチ」のように固くならないため、ソースなどのとろみ付けに適しています。
私が修業していたオーストリアやドイツではこれらのでんぷん粉で生地をつくるシュークリームがありましたね。シュー皮が白っぽく仕上がり、表面の割れが少ないのが特徴です。

●砂糖の種類・特徴・用途

お菓子で使う砂糖のベスト3はやはり「グラニュー糖」「粉糖」「上白糖」ですね。お菓子作りに最も適しているのは粒子が細かくて溶けやすくふるう必要のない「グラニュー糖」です。より細かい「微細グラニュー糖」はおすすめです。風味も淡白なので他の素材の味を邪魔せず引き立たせてくれます。
「粉糖」にはザラメ糖を粉砕しただけの100%砂糖からできている純糖や、固まりやすいという欠点を補うためにコーンスターチを2~3%混ぜたものなどがあります。また、粉糖の粒子の表面に薄い油膜を張った、お菓子のトッピング等に便利な「泣きにくい粉糖」というものもあります。
「上白糖」は料理などにも広く使われる、家庭では一般的な砂糖ですね。グラニュー糖や粉糖に比べて、少しくどみがありしっとりしています。
また、コクや風味を出したいときには「黒糖」や「きび砂糖」、「三温糖」を使ったりします。
お菓子に砂糖を入れる目的としては、言うまでもなく「甘みをつけること」。それ以外に、「防腐効果」や「保湿効果」、カラメル化による「色効果」や焼けることによって生まれる「うまみ効果」などがあります。
私はお菓子をつくる上で大事な砂糖の役割は「保湿効果」だと思いますね。焼き菓子などはこの効果がとても重要です。
ちなみにカステラの有名店の商品の中で、カステラの底の部分にジャリジャリとしたザラメ糖が入っているものがありますが、これは砂糖の防腐効果を利用して生み出されたものです。カステラは厚みがあるため、上部は傷んでくるとすぐに分かりますが、底辺は上から見ただけでは傷んでいるかどうか分からない。そこで底にザラメを入れて傷みにくくしたそうです。昔の人の知恵はすごいですね。